2017-07-20 公共 散文 22時過ぎ、駅構内の女子トイレは香水で蒸れる 知らない男の煙と残り香 濃いめの口紅がやけにキツい 女の臭いがひしめく個室 一方的な話し声の結末 電話とレシート 財布にブランドバッグ 安い下着と生理用品 血生臭くて女臭い 甘いシャンプー 嘘のシャンプー 香水で作った香り 重ねてつけたブレスレット 男からの貰い物 元カレの指輪 知らない人 すれ違い、誰も振り返らない 個室が閉まる 鍵のかかる音がする 何も聞こえない 小さく喘ぐ また女が死んだ