生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

全総

「僕が一連の猟奇殺人事件の犯人である。
簡単で酷く手荒いやり方だったことを詫びる。自分でもどうかと思うほど、美しくなかったことを淡い意識の奥底で後悔している。
そこで僕は一つの自己責任として、遺書を遺すことにする。遺書というのは書いたことがなく、作法が分からないので、酷く崩れた文になることを承知で読んで欲しい。犯行動機はとても単純で、僕を否定するはじめちゃんの無数の言葉に、僕は何度も傷付けられた結果、殺意を覚えるに至ったからである。
僕は、コンプレックスを聞かれたら一番に、自分の頭の悪さを話すように、自分の頭が悪いことを、自負していた。単独犯ではじめちゃんを殺そうと思ったのも、その頭の悪さ故に、僕の周りの人間を、環境を、再生不可能なくらい、壊してしまいそうだと思ったからだ。
僕は君の名誉のために人を殺すのではない。
僕の、単純で、馬鹿で、幾らか足りない脳みそのせいなのだ。
これは独りよがりの戦争だ。
それ故はじめちゃんを殺すのだ。
はじめちゃんがこれから死ぬのは、僕の汚い精神の為であり、君を傷付けられた事など、口実に過ぎないのである。
そうだ、きっとこれは反攻だ。
犯行動機にはきっと君が選ばれることだろう。
だが違う。
君は僕が生んだ最愛の犠牲者なのだ。
被害者で、可哀想で、世間からの同情と好奇の目に晒される哀れな見世物なのだ。
娯楽が溢れ、退屈で、贅沢な人間共に、少しの刺激と涙を、惜しげも無く演じるのだ。
その時の君は美しいだろう。
僕はそれが見られないのが酷く残念で、また酷く幸せだと思う。
はじめちゃんもまた、僕を利用した加害者であることを、悪意を込めて記しておこう。
僕は今でも君を愛している。
僕の生はここまでだ。
僕はここから、原子の一粒になり、君に溶け込み、また拒絶と受け入れを繰り返し君になる。
君は僕の後を追って死ぬのだろうか。
それとも死に恐れをなして生にしがみつくのであろうか。
最期まで僕を満たすのは君だ。
さよなら世界
僕はきっと僕を殺す。」

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