生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

帳は想像欠く、又均しく仰ぐ

「ちょっと世界を変えてみようか」

いとも簡単に芦ケ谷は言ってみせる

そして本当にこいつはそれをやってのける

そういう男だ、そういう男を僕は飼っているのだ

優越と自尊心をうまい具合にくすぐるこいつの全能感は、僕のことを異常に気持ちよくさせる

この前時間を少しずつ遅らせたと思えば、今度はどんな方法で僕を"悦ばせてくれるのか"

芦ケ谷は手の上にくるくると指で円を描き始めた

それはだんだん土の塊になり、大気のようなものを纏い、気付けば蒼い地球になった

芦ケ谷は人差し指をちゅぷりと舐った後に、その地球に向かって捩じ込み掬い、それを長い舌で下から上に僕の目をしっかりと見ながら舐めた

芦ケ谷の生み出した地球に小さな孔ができる

丁度、海のあたりだ

「ちょっとしょっぱいし、あんま美味しくないよ」

芦ケ谷はれろりとまた舌を出して、妖艶に笑んだ

ニュース速報がケタケタと鳴る

TVも勝手に喋り出した

「突如海中に巨大な穴が出現したため、海が荒れ原因究明が急がれています!近隣住民は避難を開始し、現在航海も中断されております!!」

そんなこと、どうでもいい

この多幸感の中だけを味わいたい

ぽっかり孔の空いた手のひらの地球を見下げて芦ケ谷はこういった

「こっちの方が歪で綺麗な形だと思わない?」