生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

780円

夕方の拉麺屋で立ち止まる

木目調の手動ドアを開ける

壁一面に心得なるものが描かれている

やけに達筆で力強い

つけ麺を注文

200gが胃に滑る

味が少し分からない

店の善し悪しでない

僕の身体が秤を落とした

平たいロース豚のようなチャーシュー

口の端に残るは醤油

信条の書かれたTシャツが薄汚れている

拉麺屋の自己主張は何故こうも激しいのか

斜向かいのOLが髪をかきあげ麺を吸い上げる

滑らかな動作に

染みの跳ねたカッターシャツ

うっとり自己陶酔の横顔

女を使っている

会社帰りのサラリーマン

仕事着の男達

全ての自己主張が混ざり合いスープに落とし込まれる

こんな味

味わったことないわ、と

女はうっとり

紅が落ちた口が脂で艶かしい

蒸気した頬

使い込まれた舌

透ける下着

赤レース

誘惑の流し目

質量で誤魔化しきれない欲求不満を

箸で掬い上げる

それはまるで蜘蛛の糸

ひっきりなしに群がる最奥を

ぐちゃりぐちゃりと温泉卵に

太めの麺が絡んで

カランと、墜ちた