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生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

バイト先のコンビニに男が来た。

スーツケースをコロコロと連れて。

男は背が高く、これといって変わった特徴もなかった。

強いていえば、フレームの厚い眼鏡をかけていたことだ。

男の会計をする最中、お金を受け取る際に不思議なものが目に止まった。

スーツケースのチャックの隙間から、白く細い筒のようなものが顔を覗かしているのだ。

男はいそいそと動き、早く移動したいように見えた。

その時、厳重に閉められたチャックが少し揺れた。

この筒は空気穴ではないか。

中に人が入っていて、それを運ぶための。

男は顔色一つ変えず、素早く動く。

息を止め、耳に神経を集中させる。

シューフシュー。コフー。

呼吸音が漏れる。

 

スーツケースは依然、喋らない。