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生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

湯気

脱衣所に一匹の虫がいた

蚊に似ているけどそれより大きくて足が長い

怖くて怖くてティッシュで殺してしまおうかなとも思った

しかし虫は遠くに舞い上がって隠れる

初めは怖くて仕方がなかったけど、見慣れてきたらなんだかなんともなく思えた

長い髪を乾かす時間を持て余してドライヤーを虫に向けてみた

ちょっとびっくりするかな、くらいの気持ちだ

虫は軽々と飛ばされ、壁に当たって落ちたように見えた

何度か虫を追うように熱風を当てたのが良くなかったのかも

私はだんだん虫が心配になってきた

なんだか分からないけど、殺すつもりじゃないのに殺しちゃったらそれは違うと思うのだ

ハラハラしながら手を止め、虫が落ちた方を見た

洗濯機の隙間、奥の方

虫がひょこひょこと浮き上がって壁に張り付いた

少し安心したような気持ちになって、まだほとんど乾かしきれてない髪で脱衣所を出た

虫はふわふわと飛んでいた