生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

現代版輝夜姫

「ピザポテト食べたい、ピザポテト買ってきて?」
お布団から一切出ず、輝夜姫は求婚に来た立派な若者の一人に言い放った。
「姫様、ピザポテト……ですか?」
「そうよ、ピザポテト。私今とてもそれが食べたい気分なの」
若者は街を駆けずり回って探したが、ピザポテトはどこも完売していた。それもそのはず、ピザポテトは販売中止になり、買い占め運動が起き、今やオークションサイトに闇値で出品されるシロモノなのである。
「姫様、ピザポテトは……少々……」
「え?なんて?ピザポテトを今すぐ買えないの?買ってくれないの?」
「……は、かしこまりました姫様。今すぐ手に入れましょう」
若者はメルカリで倍以上に跳ね上がったブツを競り落とし、姫様の屋敷へ足早に向かった
もはやこのピザポテトは1万越えのシロモノである。

夜の街をランボルギーニが唸る。

立派な若者は医者の息子で政界の重鎮の祖父がいる、所謂お坊ちゃんであった。

ドアを閉め、姫様の部屋に踏み入る。

ピザポテトがガサリと音を立て、姫様の白魚のような指(ゲームで駆使され少し強靭)に、手渡された。

「は?これ堅揚げじゃん」

闇ピザポテトの中身は紛うことなき堅揚げポテトであった。

「え、え!!??確かに画像も紹介文もピザポテトと!書いてあったはず!!!」

狼狽し、一生懸命購入ページに行くが、既にそのページは削除されていた。

「そ、そんな……」

「中身をすり替えられた闇ピザポテトを掴まされたってことね。」

姫様は堅揚げポテトをむしゃむしゃと頬張る。

「従者よ、連れていきなさい」

「姫様!姫様!わたくしは決して姫様を欺こうなどと!姫様!お話を!!」

「だめね。私が食べたかったのはピザポテトなの。残念だわ。貴方とは結婚できません」

「姫様ああああ」

叫びも無情に引きずられていく青年。

青年の目が姫様のパソコン画面を写す。

そこにあったのはメルカリの出品画面。

パソコンの明かりが映すのは大量の堅揚げポテトとピザポテト。

数ヶ月後、姫様の屋敷で大量の堅揚げポテトを持った姿が目撃された姿を最後に青年の行方は完全に消えることとなる。