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生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

蛇目 #短編小説 煌一

図書室の姫君は今日も憂鬱そうである。元来、僕などが関わるべきではないほど深い闇を持つあのお嬢様は、今日も優雅に読書中だ。夕日が横顔にうっすらと映えていつにもなく悩ましげに見える。父上が毎晩誰かを抱いているのは知っている。それが、この姫君だということも。朝から晩まで、忙しくご苦労さまというものだ。こんなに物憂げに読書をしていても、父上を下僕のように従える汚れた女だというのを知っている僕からしたら吐きそうになる。あんなに綺麗な顔をして、父上を好きに操り、母上の精神を殺したこの罪悪、僕は許しはしない。家に帰れば心の死んだ母上。この女を崇拝し、汗や血で汚れた足を舐め、愛おしげに抱き潰す父上。甲高い嬌声に父上の謝罪、宗教文句のような低い声が父上と母上の寝所から響き渡る。浮かび上がるシルエット。台所で嘔吐を繰り返す母上。駆け寄る使用人。父上の嗚咽混じりの泣き声が繰り返される。

「貴方様だけが私の命でございます。ああ、今日も貴方様の思うがままに私に命令なされませ。さあ、愚かな私にご命令を。愚かな私にご命令を。ご命令を、愛を。アア。」