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生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

蛇目 #短編小説 三

忌み子であるわたくし達は、昼と夜に分けられました。昼は姉のわたくし、夜は妹の"私"。わたくしが昼間、外に出ている間は、"私"は大人たちで"遊んで"いるのです。"私"が夜に外に出ると、わたくしは平穏を取り戻した部屋で、静かに横たわります。そこは先刻までの"私"の体温や、男の匂いが色濃く残り、甘くむせ返りそうな淫靡な香りで満ち満ちております。少し汗で濡れたシーツが、ジットリとわたくしの身体に張り付くのです。わたくしには、この家のどこにも、自分の居場所などないと思い知らされることでありました。夜中、煌々と照らされる貴方様のお父上様の寝台。そこに浮かび上がるシルエットが、脳によぎるようでした。わたくしではない"私"が、愛の奴隷を生み出し、欲しいままにし、わたくしを嘲笑っているのです。貴方様との婚約が決まったのは、そんな時でした。アア、貴方様。わたくし、貴方様をお恨みいたしませんわ。キット、わたくしはこの為に生まれたのでしょう。"私"の代わりをするために、ただそれだけの為に、神様はわたくしを此処に堕としたのです。