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生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

蛇目 #短編小説 二

もう一人の"私"は、才気ある女でした。しかし、彼女はあくまでも、女だったのです。同じ顔のはずなのにどこか艶めいた色を持つ。"私"は貴方様のような素晴らしいお方と婚約する、はずでした。もし、先に生まれていたのが"私"であれば、貴方様のお父上様は迷わずわたくしを殺したでしょうね。生まれたその一瞬間に、その場全ての大人を射抜いてしまうほどの神々しさ、それと相反して深く覗く禍々しさ。"私"は、貴方様のお父上様に、判断を見誤らせてしまったのです。ええ、それが事の始まり。わたくしの地獄の入口になります。わたくしが高等科に上がります頃、"私"の花は熟し、艶やかに色を放っていました。わたくしとは違い、甘く狂おしい香の匂い。貴方様のお父上様は、すっかり虜で、わたくしの父母も例外なく皆あの女の奴隷だったのです。