読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

現代版輝夜姫

「ピザポテト食べたい、ピザポテト買ってきて?」お布団から一切出ず、輝夜姫は求婚に来た立派な若者の一人に言い放った。「姫様、ピザポテト……ですか?」「そうよ、ピザポテト。私今とてもそれが食べたい気分なの」若者は街を駆けずり回って探したが、ピザ…

ペット

ママが犬を飼ってきたの。 よく晴れた日曜日のこと。 とっても大きくて少しうるさい。 躾のなってない犬。 ママが「これは"犬"よ」っていうから、クラスのえみちゃんとこの犬とはちょっと違うけど、可愛がることにしたの。 だけどママは犬のことをよくぶった…

運命

百合子と知り合って4ヶ月。 少し立ち止まってみると、もう言い逃れのできないくらい外堀が埋められている。 付き合ってはいない。 付き合ってはいないんだ。 第一、僕には好きな人がいる。 それは確実に百合子じゃない。 なのに毎朝のおはよう、毎晩のおやす…

蛇目 #短編小説 煌三

白無垢が嘲笑う。僕が生まれてきたのはこんな女と結婚し、父上と同じ傀儡になる為ではない。医者の息子だから、多少の実用的な結婚は仕方が無いとは思っていた。そのせいで昔からお金と女は嫌いだった。でも、もうどうでもいい。昨晩も父上と同じ血の通うこ…

きっと世界は

この世で一番甘いたべものは、同胞である人間だ。その肉はたちまちにヒトの体を駆け巡っては、気が狂う程の中毒性をもたらす。人間が減るのは何も珍しいことじゃない。減り方が共食いに変わっただけだ。異常なはずの世界の中で何とか世間は普通を保とうとし…

蛇目 #短編小説 煌一

図書室の姫君は今日も憂鬱そうである。元来、僕などが関わるべきではないほど深い闇を持つあのお嬢様は、今日も優雅に読書中だ。夕日が横顔にうっすらと映えていつにもなく悩ましげに見える。父上が毎晩誰かを抱いているのは知っている。それが、この姫君だ…

蛇目 #短編小説 六

わたくしは真っ黒い布で顔を覆い、結婚式に参列致しました。なんて素敵な計らいなんでしょう!愛した人がみすみす"私"と幸せになる様をこうして見られることが出来るなんて。美しく化粧を施された『わたし』が白銀のベールを貴方様の白い細く美しい指で捲ら…

蛇目 #短編小説 五

貴方様の使いの者が婚約を告げに来たのは、そんな満ち足りた日々の中です。その日はいつもより一層晴れやかな外套を羽織った貴方様のお父上様が珍しく昼間にいそいそと、診療所を閉じていらっしゃいました。昼なのに、夜のような空気感。わたくしは襖をぴっ…

蛇目 #短編小説 四

貴方様と出逢ったのは、陽の落ちた図書館で御座いました。屋敷に帰りたくないわたくしは本を読む為に毎日、帝国図書館に通いつめ、写本をしていたのです。窓辺に腰掛け、文字を写し、勉学に励んでいると、幾らか気も紛れましょう。時間の許す限りそこで過ご…

蛇目 #短編小説 三

忌み子であるわたくし達は、昼と夜に分けられました。昼は姉のわたくし、夜は妹の"私"。わたくしが昼間、外に出ている間は、"私"は大人たちで"遊んで"いるのです。"私"が夜に外に出ると、わたくしは平穏を取り戻した部屋で、静かに横たわります。そこは先刻…

蛇目 #短編小説 二

もう一人の"私"は、才気ある女でした。しかし、彼女はあくまでも、女だったのです。同じ顔のはずなのにどこか艶めいた色を持つ。"私"は貴方様のような素晴らしいお方と婚約する、はずでした。もし、先に生まれていたのが"私"であれば、貴方様のお父上様は迷…

蛇目 #短編小説 一

わたくし、生前から唯の一度も、貴方様には一切の本心を打ち明けずに生きて参りました。出逢って暫くし、お互いをすきになり、お付き合いに至り、貴方様と婚約を結び、そうして貴方様が他の女に心奪われていく様を、むざむざと見せつけられても尚、純然たる…

Fall in Love #短編小説

訥々と話すあの子の口元に、未だ見たこともない虫が死骸となって張り付いている。なんて名前か知りもしないが、少し乾いたその羽根が彼女の飛んだ唾で少し潤いを取り戻す。彼女はそれを、まるでオムライスのケチャップを口の端につけた子供のようにぺろりと…

touch me #短編小説

2年前の夏。僕のすきな人は何者かとバトンタッチをした。そうして今も僕の背中にへばりついている。 「オハヨウ。怖いゆめを見たの。あなたがいなくなるゆめ。」 淡々と語る彼女の皮を被ったコイツが、僕の妄想の産物だとしたら、僕は今すぐ彼女を押し倒して…