生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

地下鉄

地下鉄の地面が薄汚れているのは

誰かの血痕と嘔吐のせい

今座っているこの椅子には、何千、何億の痕跡がある

駅名にかかるのは香水か腐臭

吊革に染み付く劣等遺伝子

子供がこぼした真っ白のアイスが、またこの地下鉄を汚していく

イヤホンの音量をあげる度、耳が軋んで嗚咽がする

それでも聞かないでいたいのは、何かの話、誰かの音声

深夜

もう二度と教室にはいけない

底で這いつくばっているのは

いつも私と僕だから

机の奥の方に、

今も議事録が、台本が、必要書類が、

提出する場所もない

代わったのは人と、名前

あの時どうすれば、

考えるだけ無駄なこと

何度反芻しても、汚い気持ちを抉るだけ

なにか大事な場面の度に

それは幾度も蘇り、

僕の周りを囲っては、

等しく僕を責め立てる

絵ももう描けない、文も書けない

問題も解けない、人と話せない

あの時から何も出来ない

あの時のせいにしているだけか

自分はとんでもないクズ人間だ

気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い

自己嫌悪をしても嘔吐するだけ

生産性がない、期待もない

それなら動いてお金でも稼げと

僕の中で僕がぐちゃぐちゃに叫び回る

僕を嫌悪し罵詈雑言を浴びせる僕と、早く死ねと急かす僕、就職活動をしろ、働けバイトしろ、金を稼いで学費を払えと金を追い回る僕と、全てから逃げたい僕、過去を見る僕、何度もトラウマを反芻する僕、ほかの世界に逃げる僕、気がついたら死んでいる僕、財布の中身を消し去る僕、暴力を僕に振るう僕、子供向け番組や幼い時のなにかに触れると泣きだしそこに触れたくない僕、常にどこかが痛い僕、孤独でおかしい僕、僕を、僕が、僕に、僕

床に這いつくばっているのは

教室の床に

家の部屋の床

バイト先の薄汚い床

駅のホームの底

繁華街の澱んだ床

その全てに這いつくばって

等しく苦しみ死にきれないのは

僕で僕な、僕なんだ

銀橋

学費を計算してみた

このままだと僕は大学卒業後

無職になる

もしくはフリーター

今現在、学費が30万足りない

どう足掻いてもあと一月で稼げる額じゃない

親ももうお金が無い

当然縋れるわけもない

就職活動もしていない

企業の人の前に出ると、大学で大勢に囲まれ責め立てられた時のような冷たい感覚が身体中に流れ、いてもたってもいられなくなる

何度も悪夢を見る

バイトを増やしてもすぐ体を壊す

どこかしらが痛くて熱い

顔を切った

血の塊が顔に張り付いている

医療費がそこそこにかかる

人前に出るとまたおかしくなる

僕の何かはどこでズレたのか

それともずっとこのままなのか

誰かを失って、誰かから逃げた

去年の夏も、春からずっと

完成させる為に全てを注いだのに

まだ未完成のまんま

白紙に戻り、僕はいなかったことに

あれから1年も経ったのに

 

学費は深刻だ

奨学金という名の借金もしているのに

足りるわけがない、足りない

バイトを増やしても、間に合わない

それでももっと増やさないと

もっともっと働かないと

そうしないと、いけないのに

 

そもそも、卒業した後、僕は、

この大量の借金を、返せるのか

返す宛もないのに

務める先もないのに

大学の1つの部屋の片隅で

あの夏の僕が、未だにずっと

蹲っては吐いている

僕の書いた、酷い脚本を

ぐちゃぐちゃに踏まれ、置いて忘れられ

そんな中で、また水を飲み込み

何度も徹夜し、何かを疎かにし

それでも尚、罵られ、ひとりよがりの僕が

あの教室で、顔貌のない彼らに

ゼミの奴らに

そして、偉大な先生に

可哀想に、と吐き捨てられながら

こい

避け続けてきた王道の音楽に

無様な僕の色恋が

全否定されていくのに

同じ曲を何度も何度も

反芻せずにはいられない

僕の身体も心も

溝に突き落とす

いつものアンダーソングは

昨日からとっても耳障りだ

僕の目の前にある

人から外れた吐瀉物が

僕の前でのたうち回りながら

その名前を叫んでいる

それは到底、こいと呼べないけれど

つぶさに

君はまだ僕を読んでいるか?

そんなわけないだろう

自惚れるな見苦しい

それでもここからでしか

言えないことがある

君は詩を書くことをやめたのか

それすらも僕にはわからない

新しい恋人はできたか

愛し合える何かを見つけたか

友達とは楽しくやっているか

僕より優先した生き物達が

僕よりうまく君の中を泳ぐ

きっと君にはすきなひとができただろう

全てがそのとおりに進むと

君はだれかと一体になっているのかもしれない

そうだろう

君はそれだけ素敵だから

僕より綺麗に鳴けるよな

君のいなくなった水槽は

泥のように濁っては足りない酸素を溶け込ませる

1年もあれば

人は簡単に変わってしまう

僕のことなど忘れて

のうのうと生きる美しい君よ

どうか、この声が

泥沼の貯水槽に

醜く縛られるこの肢体が

君の綺麗な双眸に

捉えられませんように

僕はもう多くを望まないから

望んだことも努めて忘れるようにするから

君が僕のことを数週間で忘れるように

何百年もかけて

僕も君を薄めるようにするから

だから今はまだ

君の中に

まだ、まだ僕の吐き出したこの文字が

文章が、言葉が、詩が、散文が、

一欠片でも

就職は直接とは死に繋がらぬが、図らずとも死を近づける

僕のお嫁さん(脳内)が大学を卒業したあと無職かもしれないという設定で

僕は就職活動を再開することにした

説明会にしかろくに行ってなかったぽんこつ文系大学生(私立)が

どこでもいいからと思ったところで

本当にどこでもいいわけがないのだ

土日祝休みで、実家(終電が10時のド田舎)から1時間くらいで通えるところなんて

そんなの、あるわけがないのだ

リクルートの登録もしてない関連会社から、就職相談の電話が何度も何度も何度も

意を決して出ては見たものの、

「ご自身で探された方がよろしいかと…」

って探せないから電話に出たんだ!

就職活動など、出来るわけがない

このままでは、妄想すら死んでしまう

3DS

を、かちかちかちかちかちかちかち

それだけしてきた数ヶ月

大学に居場所などない

バイト先で人と話さない

家族に出て行けと言われる

過去の小汚い恋慕を反芻して啜っている

そんな僕が、

新しく前を向き、なにか活動を起こす?

馬鹿野郎が

鮭が陸に上がるか?

熊がナイフとフォークを使うか?

人間が人を殺すことをやめるか?

出来ないことをはなから定義するな

僕は何を偉そうに

だったら僕は

ナニ以下の僕は

死ぬしかないのか?

川底でぜえぜえと醜く息を荒らして

あの時の彼の人が

僕の名前を呼ぶまで

エラ呼吸をやめるのか?、

僕は僕を、やめるのか?

僕は永遠に呼ばれぬ名前に、定義され続けるのか

ああ、馬鹿らしい

ああ、屑らしい

ああ、意地らしい

ああ、情けない

そんな僕

 

そうあい

あなたは ふ、 と悪い顔をして笑う

鷹の目をした彼のことだ

原稿用紙に散らばる、そう、インクは

真っ青からいよいよ、色が抜け

透明でもう見えなくなってしまった

連絡先は到底消せない

意気地無しで屑だと罵ってくれ

それでいいから

もう一度、醜く夏に殺されたい