生的過干渉

僕の劣情、散文、君への過干渉。

あさ

カーテンレールの隙間から

ぼんやりとした光がこっちを見ている

覗き込むように

朝を少しずつ確認するように

じわりじわりと侵食してくる

光はまだ僕に及ばない

カーテンレールと戯れているだけ

反射してエアコンまでもが影を濃くする

その影に手先が馴染んでいく

僕の輪郭が消えていく

光はもうどこにもない

朝を、喪失した

キヨウユメ

無駄に年だけを重ねてしまった僕の夢に

学生のままの君がいた

無茶苦茶なことを

絶対言わない君の口が

すらすらと動いて

怖くなって拒絶した僕に

眩しい光となって目が覚めた

あれを受け入れていれば

あれに重ねてしまえば

現実なんてもう失えてしまえたはずなのに

何度夢をなぞっても

もう君はいなくて

何度も繰り返されて

蹂躙し尽くされた歌詞みたいに

君を探す為、僕は悪夢を見る

買ったばかりのゲームにも手をつけない

データを速やかに移行しては破棄す

縦折山折を完全無視して鶴だけを折る

落書き帳に講義の板書きを書く

定期代で溝蓋を買う

家には溝が一つもない

団地の横で泣く猫の横腹を凝視す

蠢くは赤子か隣人か

何も知らないと核の凹凸を押す

役人共が押し付け合いで揉めている

柱に括った紐が台風で揺れる

赤い色が風流である

ぶら下がったものから液が垂れる

それを椀に注いでウオッカで割る

幸福の投げ売りで女が身投げす

やがて這うのは父か母か

何かの縁だと新手の神の勧誘を受ける

いつの間にやら女が嫁入り

僕の腕に静脈注射を刺してみる

点滴に混ぜるは綺麗な硝子片

許しを乞うても僕は考で

動にもならぬ、甘い明後日

寝言

暴論の上に暴論

伏線の下に伏線

破水したようだ僕の夢が

柔らかく煮込んだ左耳みたいだ

相乗効果で自殺を誘おう

君んとこの猫が昨晩他の男に飼われてたよ

処女の血は甘くて美味しいってバイト先の店長が

舌なめずりした先にカッター仕込んで二つに割った

ああ言えばこう言うなら難解でも殺せばいいんじゃんか

ショウジョウバエが風呂場に湧いた

僕も血に湧いた餌でした

起床

おはよう日本

こんにちは僕

さよなら夜中

挨拶だけを片手分数えて

僕は明日も何かとさよなら

ちらばる

電波のない生活は僕を殺す

愛の無い新婚生活みたいなもの

新婚なんて僕に訪れるか

まあ、どうせ そんなもの

他人を見て舌噛んで死にたくなるだけ

ゼクシィって人殺せるらしいな

あれだけの強度と重みだ

そりゃそうだろう

僕は結婚が僕と結びつかないことを知っているから

幸せが怖くて

遠ざけているのだ

電波は違う

電波は必要で、僕と何かを繋ぐものだ

それがないとして

どうやって僕は独りじゃないと確認できる

電波があっても

苦しくて仕方が無いくせに

酷い雨で頭痛が重い

思考もうまくまとまらない

ああもうどうして

どうして僕は

どうして僕は何かに手放されてしまうの

クも

眠気と鳴らない携帯電話

僕の朝はそれから始まる

着信履歴に目を通しても

なんだか虚しくなるだけだし

外は土砂降りなのに

部屋の中より明るくて

分厚い雲に隠れた太陽が

存在感を主張している

明日も明後日も

この部屋で目を覚ましたいけれど

何も上手く行こうとしない僕の加減では

どうやらそれは難しい

目を覚ましているのはとっくの前からなのに

体を起こすのも面倒だ

9月に毛布と上布団

そこまでしても寒いくらいだ

体調は良くない、きっと微塵も

だから僕はまだこんなんじゃない